どうも。新潟県三条市の中心部(まんなか)にある由緒正しき飲食店街「本寺小路」(ほんじこうじ)でクラフトビールを中心とした飲食店「Beerhouse3」を開業準備中の店主いけのです。
音楽ネタの反応が鈍いと分かりつつ重要なコンテンツなので、長期的な投資と思って、アリかナシかで言うとギリギリ、ナシくらいな、これよりもう少し穏やかなバンドだったら店内BGMとして許してもらえるのではないか、というバンド群をバンド名アルファベット順(大半が海外バンドなので)に紹介していこう、という企画。第1回の反応が期待通りにStone Coldですが、めげずに行きましょう。
第2回、B。
Baroness、バロネス。
2003年結成、米国ジョージア州出身。これまで「Red」、「Blue」、「Yellow and Green」、「Purple」の通算4作を発表。
ジャンルはスラッジ。
これを説明するのが日本では難しい。日本では○○が違法なので。いや、アメリカでも基本、違法ですけども。
ドゥーム/ストーナーのサブジャンル、と理解してはいますが、ドゥーム/ストーナー自体が○○と親和性の高い音楽で、理解しづらい。
メタルとしてはBlack Sabbath、ハードコアではBlack FlagやMelvinsが源流と言われているのですが、速いことが当たり前のラウド&ヘヴィ系音楽の中で、敢えて遅いことを標榜した一群のバンドが、後にドゥームと呼ばれるのですね。Black Sabbathはその名のとおり、悪魔崇拝とかをモチーフにしたバンドなので、終末的な音楽、という意味で。まあ、ロックの起源の1つであるブルーズは、そもそも遅い音楽ですが。
で、Black Sabbath自体も、その背景として、サイケデリック・ロック、アシッド・ロックの影響を受けている訳ですが、アメリカのバンドは西海岸ヒッピー・カルチャーとかの影響をもっと直接、受けているんではないでしょうか。
遅いけれども、そんなに暗くはないバンド群として、ストーナーというジャンルが成立。Stonedとは、○○吸ってキマってる状況を指す俗語で、○○吸う代わりに、あるいは吸いながら、○○と似た酩酊感と多幸感、幻視感を味わえるバンド。
で、多分、アメリカの場合は、さらにサザンロック/ブギーの影響や、ブルーズへの再度の接近とかもあって、途中、デザート・ロックを挟んで、スラッジが誕生。
スラッジは、泥という意味らしいですけど、なんでスラッジと呼ばれるかは、よく分からない。初期の重要バンドがニューオリンズ拠点だったりするので、ミシシッピ・デルタ、デルタ・ブルーズとの関連とかがあるのかもしれませんが。
ぼんやりとした浮遊感が特徴の音楽なので、さすがに2月の今の時季はピンとこないにしても、うたたねしそうな春の昼下がりだとか、土の香りが漂う初夏の雨の日、日陰で涼しい風を感じながら暑さをやり過ごす夏の午後、昼間の熱気がまだ少し残る夏の夜、そういう季節に酒を飲みながら、だらだら聴くにはいい音楽だと思うんですよね。○○吸えない日本でも。
だから、これは基本的には、ナシではない、と思っていて、皆様の反応がどうあれ、そのうち、こっそりラインナップに忍ばせていく予定。
なお、このバンドのアルバム・ジャケットが結構、カッコイイんですが、全作、中心メンバー自ら手掛けている、と言うか、彼はグラフィック・アーティストとして、他のバンドのジャケットやTシャツ・デザインもやっていたり。