どうも。新潟県三条市の中心部(まんなか)にある由緒正しき飲食店街「本寺小路」(ほんじこうじ)でクラフトビールを中心とした飲食店「Beerhouse3」を開業準備中の店主いけのです。
気が付けばブログ開設以来、「メタル」タグで6本も挙げているのに、まだビールの話を一度も書いていなかった。ビール屋なのに。
と言う訳で、本日はタイトルの通り、当店の主力商品となる「クラフトビール」って、そもそも何なの、という話を。
これは中々、ハードルが高い。
いけののような新参者が自分なりの解釈を書いたところで、これまで長年、ビールを造ってきた方たち、売ってきた方たち、評論や記事の執筆をしてきた方たち、あるいは単に好きで飲んでいる方でも、いけのよりも遥かに年季が長い人とかは世の中にイッパイいる訳で、その皆さんに「いやいや、クラフトビールとは、こういうものだよ!」という定義があるのだろう、と思う訳です。
たとえば、藤原ヒロユキさんによる日本ビアジャーナリスト協会のこの記事。
あるいは、こちらの記事2本。
うむ。長い。
でも、多分、きちんと説明しようとすると、多分、多少の差はあっても、こういう話になるのでしょう。
- 1994年まで日本ではアサヒ、キリン、サッポロ、サントリー(とオリオン)の大手以外にビール醸造が事実上、認められていなかった。
- エチゴビール(新潟市西蒲区)を第1号として小規模醸造事業者が誕生し、2000年頃まで、いわゆる「地ビール」ブームが起きた。
- ブームの中で「特産品」、「土産物」的に消費される低品質なビールが出回り、一般消費者の「ビール=ペールラガー」*1のイメージを払拭しきれないまま、ブームが沈静化。
- 一方、アメリカでは、1965年のフリッツ・メイタグによるアンカー・ブルーイング買収に始まるクラフトビールのムーヴメントが20世紀末から本格化。欧州に逆輸入されるなど世界的な広がりを見せる。
- 日本でも、アメリカの動きの影響も受けつつ、ブーム沈静化後の淘汰を生き残った醸造所を中心とする高品質ビールの提供と、消費態度の変化により再活性化。
ただ、ここまで書いて思ったのは、これはクラフトビールのムーヴメントやその歴史を解説するものではあるけれども、純粋に飲物として、クラフトビールを飲んだことがない人に対して、「こういう飲物!」という解説にはなっていないのではないか。
少なくとも新潟県の三条市、という今のところドラフトでクラフトビールを提供する店が(多分)1軒もない未開の地で商売をするに当たり、そこはちゃんと自分なりに説明できないといけない気がしてきたり。
もちろん、「クラフトビールの特徴の1つは、スタイルの幅広さなのだから、どんな飲物かなんて一口には言えない」とか、「歴史や背景と言ったウンチク、ストーリー込みで楽しむのがクラフトビールだ」という要素も当然あるのだとは思いますが。
「クラフトビールってどういう飲物?」に、どう答えればいいんでしょうね?
「“ノド越しスッキリ”な大手のペールラガー」以外のビール?
もうちょっと稿を改めて書く必要がありそうです。
クラフトビール革命 地域を変えたアメリカの小さな地ビール起業
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