どうも。新潟県三条市の中心部、「本寺小路」でクラフトビールを中心とした飲食店「Beerhouse3」を開店半年、何とか生きながらえております店主いけのです。
10月6日(木)から9日(日)までの4日間開催される燕三条工場(こうば)の祭典。
開け、工場! 工場の祭典 - Factory Festival
今年もモデルコース的に設定された公式バスツアーが運行されます。
で、今年もそのうち1本で、バスガイドを担当させていただくこととなりました。ビール屋ですが。
担当するのは初日6日の午前中、「鍛冶職人の伝統技術を体感!」と題されたコースで、
・鑿鍛冶田斎(大工道具)
・日野浦刃物工房(刃物)
・マルト長谷川工作所(工具)
という燕三条地域の中でも、三条市内の「鍛造」による「手道具*1」づくりを行う3社をめぐります。
あ、そうか、今年は「鍛冶の歴史の変遷をたどる」、みたいなテーマ設定じゃないんですね。今、紹介しようとして気づきました*2。
このテーマ設定でこの3社だと、参加いただく皆さんにどういうストーリー立てでご紹介すると、すんなり頭に入っていくか、これから本番までに少し考えます。
鍛造による手道具づくりで、生産規模が小・中・大って感じで見ていただくといいのかな。
田斎(たさい)さんは大工道具のノミをはじめとする手道具類を中心とした工場です。特に、大工の中でも、宮大工のような特殊な仕事向きの道具が多く、そのため受注生産による特殊な刃物なども、かなり手掛けられています。1丁1丁手づくりで、ほとんど量産化のための機械なども導入されていないため、細かな注文にも対応できるんですね。
もちろん、手仕事であっても同じものをマトメてつくった方が作業効率は上がるので、量産効果がない訳ではないのですが。
日野浦さんのところは、山林刃物の鉈(なた)をつくっています。ここも基本的には、手づくりなのですが、いかんせん、鉈を使うのは、山に入って作業をする人たち。切れ味や使い勝手と「価格」を比較したとき、宮大工さんに比べると、道具に使える金額はシビアなようです。
もちろん、一度は、価格重視の結果、本業の人たちでもホームセンターで売られているような量産品に流れていき、各地の鉈鍛冶さんが需要が細って廃業していった後で、もう一度、作業性のために品質が求められ、結果的に全国から日野浦さんのところに注文が届くようになっている、という傾向もあるようです。
なので、品質と効率のバランス、みたいな。
そして、マルト長谷川さんは、作業工具のペンチやニッパー。これは、もう完全な量産の世界。とは言え、じゃあ、価格重視で低品質かって言うと、そんなことはなく、迫力のある鍛造機を過ぎると、意外と、人海戦術のような人の手による仕上げ作業が待っていたりもするのですが。
まあ、単純につくるものが違うのでつくり方が違う。そういう楽しみ方もできるとは思いますが、なにがしか、なぜ、同じ街の同じような鍛造の町工場なのに、これだけの差があるのか、ってことを、背景を含めてお伝えできればいいかな、と思っております。
朝8時50分集合という早い時間のスタートですが、参加される皆様は、よろしくお願いします。そもそも自分が朝、起きれるのか、と言う…。
なお、東京からお越しのみなさんは、始発じゃなくても朝7時発の新幹線が8時46分燕三条駅着なので、主催者に何とかゴネれば何とかなるんじゃないでしょうか、と無責任発言。
もちろん前泊し、当店にお越しいただいて、予習してから臨む、というのも方法とは思います(宣伝)。
なお、工場の祭典期間中の営業は以下の通りです。
・6日 三条ものづくり学校で屋台出店のため、店舗休業
・7日 三条バル街開催のため、特殊営業
・8日、9日 Loud Park 2016視察(!)のため、お休み。