どうも。新潟県三条市の中心部、「本寺小路」でクラフトビールを中心とした飲食店「Beerhouse3」を、とりあえず何とか営業しております店主いけのです。
当店の店内BGMは、バンド名アルファベット順に毎週更新しておりまして、今週はバンド数が少ない鬼門の「Q」に入って、選択肢の少ない中、Queenのラストアルバム、「Innuendo」を投入しております。
で、このアルバムが91年の2月にリリースされた後、11月にヴォーカルのフレディ・マーキュリーが逝去し、翌92年の4月にロンドン郊外ウェンブリー・スタジアムで行われたのが、フレディ・トリビュート・イベント。
フレディ・マーキュリー追悼コンサート - Wikipedia
1992年の年明けには既にNirvanaの「Nevermind」がビルボードで首位に輝き、ハードロックに退潮の兆しがあったものの、このコンサートには上記リンク先のとおり、この夏にダブルヘッドライナー・ツアーを行うMetallicaとGuns N'Rosesはじめ*1、「More Than Words」のヒットの余勢を駆るExtreme、スティーヴ・クラークを喪ったものの再始動したDef Leppardなど、錚々たるメンバーが揃っております。
YouTubeには公式、非公式含め、このイベントの全貌がほぼ網羅されており、先日、関連動画の自動再生で眺めておりましたら、Guns N'Rosesによるボブ・ディランのカバー、「Knockin' On Heaven's Door」って、やっぱり名曲だなぁ、と。
ちょうど今週末に行われるノーベル賞の授賞式にディランは結局、欠席するようですが。
この曲は、ボブ・ディラン自身も出演しているサム・ペキンパー監督による1973年の映画、「ビリー・ザ・キッド」のために書かれた楽曲です。
ですので、西部劇の伝説的人物、ビリー・ザ・キッドについて歌っているわけですが、もう少し普遍的な意味があるように思います。
たとえば、1973年と言えば、この年の1月にベトナム戦争の停戦が合意され、3月には米軍の撤収が完了した年でもあり、そういうプロテスト・ソングの余韻もあったのかどうか。
それにもまして、古今東西の物語の類型(パターン)の中に、英雄譚、すなわち特殊な能力を持ったがゆえに孤立する英雄が、困難の中でも自己の信念を曲げずに打ち勝つ、という物語が存在するのは、それが必ずしも英雄だけでなく、普通の人の心にも響く、普遍的な、誰でも経験する道だから、でしょう。
Knockin' On Heaven's Doorは、打ち勝つのではなく、残念ながら、裏切りにより打ち負け、死の淵に立ったビリー・ザ・キッドを描いているわけですが。
Mama, take this badge off of me
I can’t use it anymore
It’s gettin’ dark, too dark for me to see
I feel like I’m knockin’ on heaven’s door
Knock, knock, knockin’ on heaven’s door...
Mama, put my guns in the ground
I can’t shoot them anymore
That long black cloud is comin’ down
I feel like I’m knockin’ on heaven’s door
Knock, knock...
Knockin' On Heaven's Door | The Official Bob Dylan Site
ビリー・ザ・キッドという有名な物語の力を借りている、とは言え、この短い歌詞の中で、これだけの印象を残せる詩人も少なくないのでは、とか思う次第。
ディランが文学賞にふさわしいか否か、という議論については、個人的には、ギンズバーグ、ケルアック、バロウズとかのディランに先行するビートニク系の詩人については、きちんと読んだことがないので、彼らがノーベル賞のような権威的な賞を受けることなく他界したのに対し、ディランが受賞したことへの違和感を覚える人は、まあ、いるのかなぁ、とは思いますが、きちんと読んで比較したことがないので、何とも。
もっとも、ディランもこの曲をはじめ、ごく有名な数曲しか知りませんが。
なお、ほぼ20年ぶりにスラッシュとダフ・マッケイガンが復帰してワールド・ツアーのGuns N'Roses、いよいよ17年1月には来日公演を行います。チケット高すぎて、行く気はありませんが。
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