Beerhouse³ 営業日誌

ものづくりの街、新潟県三条市でビール屋やってます

どうして3時から営業しているんですか?

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 どうも。新潟県三条市の中心部、「本寺小路」でクラフトビールを中心とした飲食店「Beerhouse3」を、とりあえず何とか営業しております店主いけのです。

 

 当店は固定的なHPを開設していないため、当ブログを通じて当店の営業時間やアクセス等、基礎的な情報も提供している訳ですが、開設から1年が経つ中で、掲載しておくべき、あるいは掲載しておいてもよいかな、という情報で放置していたものに、いくつか気付くなど。

 

 で、そのうちの1つが、来店いただいた方からもしばしばご質問をいただく、表題の

 

 「どうして、午後3時から営業しているんですか?」

 

 いや、ビール、昼から飲みたいじゃないですか。

 

 以上。

 

 もちろん、クラフトビールの味わいは多様で、夜、寝る前にゆっくりチビチビと飲みたいようなビールもありますが、基本的には爽やかで明るいうちから飲みたいビールが多いと思います。あるいは冒頭の写真のように、夕暮れ時に飲むとか。

 

 昼から飲んだ方がうまい理由は、科学的な根拠はよくわかりませんが、まあ、単なる背徳感だけじゃなくて、何かあるんじゃないでしょうか。日光とか気温とか。

 

 もちろん、この三条という土地は、車社会ではあるので、昼から飲んでしまうと、その後の行動が制限される、という制約はありますが、たとえば、休みの日でその後の予定がないときだとか、あるいは夕方、飲み会が予定されている、その少し前に出てきて待ち合わせや時間調整とか、といった使い方をしていただければ幸いです。

 

 以上、顧客視点に立った昼から営業する理由です。

 以下、経営的視点。

 

 飲食店経営というのは、店舗の賃貸料だとか、内装や設備の初期投資といった、いわゆる固定費の大きい産業でして、できる限り、皆さんに長居をしてもらって客単価を上げたいのが本音。

 とは言え、先述の昼飲みとも関連しますが、ビールは基本的には気軽に楽しむ酒だと思っているので、さっくり飲んでささっと帰る、という使い方を排除したくないんです。

 となると、営業時間を延ばし、回転数を上げ、客数を増やすことで、1人1人のお客様に負担いただく粗利を下げたい。

 

 で、そのときに普通のバー業態であれば、風営法の範囲内で遅い時間に営業を延ばす、という選択になると思うのですが、まず先述のとおり、ビールは早い時間に飲んだ方がうまいものが多い。

 

 そして、第2に、今後、スタッフを雇うことを考えた場合、少しでも人間的な生活を守っていきたい。

 飲食業というのは、サービス業の中でも、人間が食事をしたい時間帯、というのにどうしても動物的な制約があるため、皆さんが遊びたい時間に働かないといけない仕事な訳です。

 ならば、せめて夜はできるだけ早く帰れた方がよいんではないでしょうかね。医療や治安維持、インフラのような人の命に密接に関わる仕事ならばともかく、言い方は悪いですが、所詮は娯楽のための仕事ですし。

 いや、中には、完全な昼夜逆転で、人とは全く違う時間帯で生活をしたいってスタッフ希望者もいるのかもしれませんが。

 

 現状、深夜12時で閉店させていただくと、早いときには午前1時前、遅くとも午前2時過ぎには完全に店を閉めることができます。なので、今後スタッフを雇った場合に、どこから通ってもらうか、という問題はありますが、常識的に考えて、夜2時か3時には就寝できるのでは。となれば、これも睡眠時間に個人差はありますが、朝9時前には起きれて、家族がいる人でも少なくとも朝は顔を合わせることができるのではないか。

 

 なので、人間らしい生活を送るために閉店時間は12時で守る。そこから逆算して、3時には現状、開けられるし、開けた方がよい。

 

 そういうことは、スタッフを雇ってから考えればいいって人もいるかもしれないですが、それまでに遅い時間の常連客が付いてしまえば、そういうことは言ってられないだろうし、何よりも自分自身が、最低限の人間的な生活を放棄するつもりがありません。お金のために自分の生活を犠牲にできるタイプの人間だったら、もっと違う職業を選択していたでしょうし。自分の生活を優先した結果、売上がついてこなければ、それは商売の才覚がなかったね、という、それだけの話です。

 

 ちなみに早い時間から開けて気軽なビールと回転数を、という視点で言えば、当然、ランチ営業も視野に入ってくるところです。聞けば、午後3時だと夜勤明けの人たちがちょっと1杯と言うには、遅すぎるようですし。

 ただ、そこは現状1人でやっている限りは、銀行回りや買出し等の開店前の活動に必要な時間の確保に加えて、上述のとおり「人間的な生活時間」という視点からは、当面は難しいと考えているところです。

 もっと早い時間の来店が浸透して、閉店時間を2時間早い午後10時とかに切り上げることができるようであれば、その分、開店時間も早める、という選択肢も出てくるのでしょうが。

 あるいは複数スタッフを雇って、早い時間と遅い時間とで対応が手分けする、というのも方法ですが、それについても、先立つものはご利用いただく皆さんの需要と、それによる利益の裏付けです。

 

 ひとまず、春に向かって日の長さが延びていくこの時期、寒さはまだ残りますが、気が向いたときには、明るい時間から足を運んでいただければ、と思う次第です。よろしくお願いします。