Beerhouse³ 営業日誌

ものづくりの街、新潟県三条市でビール屋やってます

2017年5月第1、2週のBGM(L,M,N,P,R)

  どうも。新潟県三条市の中心部、「本寺小路」でクラフトビールを中心とした飲食店「Beerhouse3」を、とりあえず何とか営業しております店主いけのです。

 

 先週、連休中でバタバタしており記事更新しそこねた店内BGM、先週分と今週分です(音源自体は変更済み)。 

  1. Meatloaf (US-Hard Rock) / Welcome To The Neighborhood (1995)
      ← Jorn (Norway-Hard Rock / Starfire (2000)
  2. Nelson (US-Hard Rock) / After The Rain (1990)
      ← Harem Scarem (Canada-Hard Rock) / Weight of the World (2002)
  3. Polyphia (US-Prog.Metal) / Renaissance (2016)
      ← Kansas (US-Prog.Rock) / Power (1986)
  4. Rainbow (UK-Hard Rock) / Long Live Rock 'N' Roll (1978/2012)
      ← Issues (US-Metalcore) / Issues (2014)
  5. Lostprophets (UK-Emo Metal) / Weapons (2012) ← 3週目

 

 解説の前に、前置き。

 今の若い人たちはよく分かりませんが、自分より少し上の年代から同世代の一部の人たちには確実に、ファッションとして音楽を聴く、つまり、おしゃれだと世間で認められた音楽を聴いている人がおしゃれだ、という認識の人たち(だから、おしゃれだと思われたくて、おしゃれだと言われる音楽を聴く人たち)がいらっしゃいました。

 別に他人がどういう判断基準で音楽を聴こうがその人の勝手ですが、その人の価値基準をこちらにも適用して評価されても困ります。いや、「21世紀にメタル聴いてるとかダセー」と言われるならまだしも、「メタルを聴いてる自分がカッコイイつもりかよ」とか、目が点ですわ…。

 少なくとも自分がメタルを聴き始めた1990年代半ばなんて、メタルを闇に葬ったカート・コバーンすら既に過去の人で、ブリットポップメロスピこそが時代の先端を行く音楽だった時代。

 一方のメタルはと言えば、重鎮たちも混乱の中、Iron Maidenが「The X Factor」、Metallicaが「Load」「Reload」、Judas Priestが「Jagurator」とか出してきて困惑するしかない時代で、そんな中、ただただ音楽的な好みが合うからメタルを聴き続けてきただけで、以来、20年間、おしゃれな音楽としてメタルが存在したことなんか一度もないんですけど。

 まあ、最近は、日本国内で、メタルの影響を受けたような音楽、というか広いくくりで言えばメタルコアに入るバンドのいくつかが、若い子たちにそこそこ人気を獲得してるみたいですが。

 

 普通の人には到底理解してもらえそうもない地下音楽としてのメタルの中でも、ちょっとキャッチーで普通の人でも聴けそう、普通の人に聞かせても怒られなさそうなヤツをピックアップしてお届けする、というのが当店BGMの趣旨であります。

 

 で、本題。各アルバム解説。

 

 Mは、ジム・スタインマンのプロデュースによるロック・オペラ作品ばかりが注目されがちなミートローフの95年作品。ジム・スタインマンも一部参加する他、クサいロック・バラードを連発するダイアン・ウォーレン先生の手になる2曲も収録しており、結構、バランスのとれた、いいアルバムだと思うんですけどね。

 あと、当時、Van Halenの動向がどういう状態だったのか記憶が曖昧です(し、調べる気もありません)が、サミー・ヘイガーも1曲、キャッチーなハードロック曲を提供。

 

 Nは、バンド数の少ないところで毎回、悩んでおり、前回、「そういえば、昔からタイミングを逃してコイツをまだ買ってなかった!」と思い出した、カントリー歌手、リッキー・ネルソンの双子の息子、ネルソン兄弟によるバンドのデビュー作。

 1990年リリースの本作がそこそこ成功し、昔ながらの長期全米ツアーを慣行している間に、グランジが台頭して、2作目をリリースするタイミングを失い、時流に寄せたアルバムを作り直すも、新規ファンの獲得に失敗しただけでなく、従来のファンも離れて、という時代に翻弄されたバンドの1つ。

 成熟した産業としてのアメリカン・ハードロックを体現する、優れた1枚と思います。

 

 Oは、バンド数のわりには、Opeth、Omnium Gatherumとかを複数枚所有してるので、持ってるアルバム枚数は多いんですが、その辺、店内では使えませんからね。オジー・オズボーンくらいしか選択肢を思いつかないし、毎度毎度オジーなのも芸がないので、今回もパスで。

 

 てことで、Pは、プログ・メタル、テック・メタル系インスト4人組、Polyphiaの2作め。元々はヴォーカルがいたらしいのだけど、脱退後適任者が見つけられず、結局、ギター2本、ベース、ドラムの4人で活動中。

 やっている音楽は、ジェントの影響も受けた、ニッチでオタクくさいプログレ・メタルで、これがダサいメタT着た、ムサくるしいデブとかメガネのバンドだったら、まあ、普通なんですが、メンバーのルックスがちゃんとしているのと、メロディラインがキャッチーなのとあいまって、実にマトモなバンドに思えてくる不思議。 

 やってることは当店の過去のBGMの中でも結構、アヴァンギャルドな部類に入ると思うんですが、インストでかつクリーントーンのギターメロディがキャッチーって辺りで店内BGMとしても、かなり優秀な気がしてきました。

 

 Qも、Queenばっかりになるのはアレだし、QueensrycheとかQemistsとか使えないし、ということでパス。

 

 Rは、日本でも普通の人には、「昔、Deep Purpleにいたギタリスト、リッチー・ブラックモアバンド」と形容しないと伝わらない気がしますが、ハードロック/ヘヴィメタルを聴いてる人間からしたら、Deep Purple以上に、と言うかメタルの歴史上、最も重要なバンドの1つ、Rainbowの78年発表3作目を、2012年発表の欧州2枚組デラックス盤で。

 原題が「Long Live Rock N'Roll」なのに、邦題が「バビロンの城門」な辺りが、なんか、アメリカ市場を意識してポップでキャッチーな楽曲を目指しはじめたリッチー先生と、ゴシックな中世風ハードロックを期待する当時の日本市場とのギャップを感じますね。結局、この後ヴォーカルのロニー・ジェイムス・ディオは、リッチーの求める音楽性が理解できず脱退、Black Sabbathに合流し、Rainbowはさらにポップな方向へと向かう訳ですが。

 このアルバムの制作過程では、77年の夏にアルバムがほぼ完成していたものの、ライヴ盤「On Stage」のリリースに伴い、レコーディングを中断して、ベースにボブ・デイズリー、キーボードにデヴィッド・ストーンを迎えて、ヨーロッパ・ツアーを実施、ツアー後、レコーディングを再開して78年にリリース、という経過をたどっております。

 で、このデラックス盤にはボーナス・ディスクとして、77年夏の時点でのラフ・ミックス7曲(この時点で「Gates of Babylon」はまだ存在しない)、77年ツアー前のリハーサル、78年のテレビ番組音源(とそのアウトテイク)が収録されております。ライヴ音源とかでもリッチー先生のやる気次第でだいぶ違う曲になってたりするRainbowではありますが、特に77年夏のラフミックスがほぼ完成している曲と、割と雰囲気の違う曲があり興味深いところ。

 

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