Beerhouse³ 営業日誌

ものづくりの街、新潟県三条市でビール屋やってます

Darkest Night

 どうも。新潟県三条市の中心部、「本寺小路」でクラフトビールを中心とした飲食店「Beerhouse3」を、とりあえず何とか営業しております店主いけのです。

 

 2018年は12月22日(土)が冬至、一番夜が長く、昼が短い日ですね。

 

 冬至と言えばカボチャ、カボチャと言えばカボチャの王、ジャック・スケンリントンをフィーチュアした、ティム・バートンの「ナイトメア・ビフォー・クリスマス」。

 

ナイトメアー・ビフォア・クリスマス コレクターズ・エディション [DVD]

ナイトメアー・ビフォア・クリスマス コレクターズ・エディション [DVD]

 

 

 

 …え?!

 

 実際の監督は、ウォルト・ディズニー社時代のティム・バートンの同僚で、バートンと同様に既に退社していたヘンリー・セリックに任せたものの、80年代から温めていたバートンの原案をもとに、1993年なのに*1全編コマ撮り、という長編アニメです。

 

 唐突ですが多分、忘年会シーズン真っただ中の3連休初日の今日も、7時までのゼロ次会と9時以降の2次会はそれなりに混雑すると思うのですが、皆さん他店でお食事に向かう7時~9時は、ウチの場合、わりと余裕があると思うので、本作をDVDで見ている予定です。

 

 上映会にしないのは、大画面の準備が面倒なのと、JASRAC的なアレコレ。

 あくまでも店主がヒマつぶしで個人的に見ているだけです。

 

 個人的に思う、ティム・バートンの最もすごいところは、「バットマン」(1989)、「シザーハンズ」(1990)、「バットマン・リターンズ」(1992)、そして1993年の本作*2と、大予算のハリウッド大作映画を作り続けて、世間一般からも、ハリウッド大作、つまり誰が見ても楽しめる、当たり障りない映画を作る作家と思われていながら、どう考えても、いずれも一部のマニアにしか伝わらない世界観を守り続けている点です。

 本作「ナイトメア・ビフォー・クリスマス」に至っては、古巣とは言え、天下のディズニー傘下のタッチストーン。

 

 ゴス風味とポップなパステルカラーの対比を基調としたビジュアル面もマイナー趣味なのですが、何しろ映画のテーマも揃いもそろって、

 「異形の怪物が社会から疎外されながらも社会との関わり方を模索するが失敗し続ける」

みたいな内容で、これはティム・バートン自身の投影でもあり、社会の少数派にしか伝わらないテーマなのでは、と思う次第。

 

 もちろん、世の中に平均的な人間、標準的な人間というのは、個人としては存在せず、誰でも自分の長所と裏返しの欠点を抱えて、社会からの疎外感に悩むことはあるはずで、その意味では、ある種、普遍的なテーマと言えると思います。

 ただ、専門的な論評を別として、芸能人が挙げる「好きな映画」みたいな企画で、こういう視点からこの辺りのバートン作品が紹介されることは、まず見たことがないのですが…。

 

 なお、上記のとおり、公開順では本作が一番最後の1993年ですが、製作順では本作は先行しており、1992年の「バットマン・リターンズ」が最後、ということで、映画としての完成度も、「バットマン・リターンズ」が一番高いように思います。

 ただ、「バットマン」、「バットマン・リターンズ」は、DVD-BOXを買い逃して、Blue-Ray盤しか持ってないので、店の環境だと見れない…。

 

 

  「シザーハンズ」もDVDで持ってますが。

*1:ピクサー社によるフルCG長編「トイ・ストーリー」が1995年

*2:原案自体は80年代にバートンがまとめ、映画製作の着手も1990年