どうも。新潟県三条市の中心部(まんなか)、「本寺小路」(ほんじこうじ)でクラフトビールを中心とした飲食店「Beerhouse3」を、とりあえず何とか開業いたしました店主いけのです。
まだ自分の中では、ひっそりこっそりプレオープン2週間終了、なのですが、多くのお客様がFacebook等に投稿いただいて、そこで知った「初めまして」のお客様にも多数、おこしいただいております。ありがとうございます。
今日13日は、新潟酒の陣に「勉強」に出かけるため、臨時閉店となります。よろしく、お願いします。
さて、1日早く2週目の営業を終了しましたので、プレオープン2週間での営業成績です。
お店のPRも兼ねたブログで、経営状態を晒すのはどうかという意見もあると思います。
だけど、しばしば受ける質問、「なんで飲食店をやろうと思ったのか?」に対する1つの答えとして、つまり、自分が店をやることの意義の1つとして、旧市街での事業経営というものをきちんと考える、他の人たちと知恵を結集し、考え方を洗練させ、広めていく、という目的もあるところです。
どこかの市役所さんでは、この春から中心市街地活性化の部署を経済部から市民部に移管するそうですが、店主いけのは、経済活動としての旧市街地活性化の可能性をきちんと考えたいのです。
日本って、一応、資本主義国ですよね? 共産主義じゃないですよね?
ということで、まあ、来店者の皆さんにあんまり引かれない程度、上場会社のIRくらいのレベルでは、今後も晒していきたいところ。
というか、数字を晒したところで、「うわー、どんだけボッてんだ?!」というような数字は出てきませんし、ある程度、オープンな方が自分の趣味に合っているので。
では、成績です。
(対目標達成率)
3/ 1~ 6の週 客数:81% 客単価:71% 売上高:57% 原価率*1:107%
3/ 8~13の週 客数:71% 客単価:60% 売上高:43% 原価率:113%
平均 客数:76% 客単価:69% 売上高:50% 原価率:110%
※2月の最初の3日間は変則的なため割愛。
概況としましては、売上と利益の関係で言うと、現状、固定費の支払いをした上で、餓死することはなさそうだけど、人を雇える給料を確保できずに、このまま伸び悩む、って感じの数字です。
今後の対策としましては、
売上 = 客数 × 客単価
で、考えた場合、客数については、ボーナスとして2月の3日分を考慮すると、まあ、目標値は達成できているのですが、現状では、皆様からのご祝儀的な訪問の恩恵もあり、このまま行けば、減るのは確実なので、向上策を取っていく必要があります。
客数確保について、上の式をさらに分解すれば、
客数 = ユニークユーザ数 × 来店頻度
ですが、おそらく、この2週間でお越しいただいた皆さんの顔ぶれを見ると、当面、頻度が上がりそうな気配はないので、ここからはご新規の来店をどれだけ増やせるか、というところ。
ですので、そろそろ、ひっそりこっそりモードからの脱却を検討すべき段階ではあります。
とは言え、人によっては、あるいは誰でも時には、ニッスイの冷凍食品や、セブンイレブンやイオンの惣菜で満足できたり、かっぱ寿司やサイゼリヤに行きたくなることがあると思うのです。
同じように、ビールも、大手のラガーどころか、発泡酒や発泡性リキュールでいいや、という人や時もあるでしょう。
「ビールの店」と聞いた方が、そのような気分で当店にお越しいただいても、お互い不幸になるだろうと思うのです。
一方で、フレンチや和懐石のようなお高いお店を志向している訳でもなく。
その辺りの、「皆さんに何を期待してお越しいただき、どう期待に応えるか」、の精緻な努力は続けてまいりたいところ。
一方、客単価については、圧倒的に足りていません。
こちらは、
客単価 = 商品単価 × 注文数
と分解されますが、商品単価は、ひとまず見直す予定はありません。3か月くらい経って原価計算がもう少し精緻に行えるデータが揃ってくれば見直すかもしれませんが。
そこで、注文数のうち、まず、ビールについてですが、クラフトビール4種つながっていれば、4種全部1杯ずつの合計4杯飲んだであろうお客様が、2種しかないため2杯で帰った、というような事態もありました。
こちらは既に発注タイミングの改善と適正な在庫確保について見直しを進めているところですが、機会損失の是正には努めたいところ。
併せて、現状の注文数、消費ペースを考えると、いたずらに在庫を増やすのも品質維持の点から望ましくはないので、しっかりと管理手法を確立してまいりたい。
もう1つの客単価、注文数を上げる方法は、当然ですがプレオープンのまま一向、開かない理由でもある、フードメニューの改善です。
具体的な比率は計算していませんが、フードの売上比率がおそらく現状2割にも満たないのを、せめて3割…は高望みだとしても25%くらいに持っていきたい。
そもそもが、店主いけのは、食事をするときに絶対に飲み物がほしい人で、水でもコーラでも味噌汁でもいいので、飲み物がほしい。
こじゃれた欧州料理屋で、スープが前菜と主菜の間の独立した1皿として出てきて、主菜を食べるための添え物として出てこないのとか全然、理解できない。もちろん、そういう欧州料理では本来、主菜に合わせる飲み物としてワインがあるのだろうけれど。
で、ブドウの採れる地域での、そのワインに当たるのが北部でのビールであって、ブドウよりも味の幅が広いビールの方が、料理と合わせる楽しみもずっと多いはず。
そのような提案をできるのが、当店の目指す姿の1つの形でもあります。
どのようにして注文いただくか、もちろん、まずはフードの内容そのものの充実を図る必要がありますが、来店時間帯の改善、メニュー表の導線等、工夫してまいりたい。
フードの充実に関しましては、色々とパイロット(試作)版も仕込んでおりますので、ぜひ、食べてご意見をいただき、よりよいメニューになっていくよう、ご支援賜りたいところ。
最後に、実を言うと、上に掲げた各種目標は、今の物件に決める前の補助金申請したときの目標値で、実際には2階まで改装してしまったので、その減価償却を考えると、さらに売上が必要で、その売上を達成するためには人を雇う必要があり、その給料の支払いを考えると、実際にはさらに3割くらい上乗せしていく必要があるんですけどね。
つまり、全然、足りてない、ということです!
精進します。
*1:原価率の目標値に対する達成率(100%超だと目標より高止まり)です。現状、原価率は、値付けの際に使用している概算の原価と売上から算出しており、仕入高からもっと精緻に計算していく必要があります。
もちろん、これだけ売上が低いと、食材のロスも多いですし、そもそも固定費の負担が過大なので、原価率とか言ってる場合じゃありませんが。