どうも。新潟県三条市の中心部、「本寺小路」でクラフトビールを中心とした飲食店「Beerhouse3」を、とりあえず何とか営業しております店主いけのです。
しばらく前に社会変革系のテーマでネットで紹介されてるのを見かけた新書。ちょっと期待した内容と違ってましたが、メモ程度に。
新書ではありがちなんですが、タイトルと内容が噛み合っていない、というか、少なくとも著者の想定する読者と、自分の属性が違いすぎて、自分には役に立たない、というか。
普段、新書や学術書でも拾い読みはなるべくしないんですが、後半は読み進められなくて、拾い読みで終わらせました。
Amazonのレビューは高評価が多いので、著者の想定にマッチする読者には有用なのだろう、とは思います。
本書の構成は、自殺問題、病児保育、いじめ対策、母子家庭、性的マイノリティという5つの分野で実際に活動する「ロビイスト」が各章を担当して、自分の体験をまとめる、という形になっています。
各章に共通する活動の手順、段階として、まずNPO等での活動を通じて、より抜本的な制度改革が必要だと考え、官僚や与野党の国会議員にアプローチして、法案化を目指し、さらにその法案の実際的な運用のために活動を続ける、という流れ。
なので、おそらく想定する読者とは、既にNPO等で活動していて、国の制度に大きな問題を感じているけれど、官僚も政治家も対応しているようには思えない、という人たちで、現状に不満を持つだけでなく、制度を変えるために、どのようにアプローチしていくべきなのか、先人の体験談として参考になる部分は多そうです。
特に、本書で扱う5テーマは、いずれも、どちらかと言えば左派政党の得意分野である中、2015年に出版された本書で取り上げる活動は、ちょうど民主党政権時の前後にわたっており、保守政党へのアプローチを含めて、与野党にどう関わっていくか、などは実際的な内容になっている、と思います。
ただ、タイトルを「誰でもできるロビイング入門」とするからには、5人がバラバラに担当分野を執筆するよりも、各人にインタビューして、各フェーズごとの要点を抽出していく形式の方が、「入門書」という形になったのではないかと感じています。
今後、自分でも、何らかの活動を通じて、社会制度上の不満を感じ、変革を求めることになった場合に、改めて読み直すと、何らか大きな発見があるかもしれません。