Beerhouse3営業日誌

ものづくりの街、新潟県三条市でビール屋はじめました

フォート・ポイント「ユズKSAラードラー」

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 どうも。新潟県三条市の中心部、「本寺小路」でクラフトビールを中心とした飲食店「Beerhouse³」を、とりあえず何とか営業しております店主いけのです。

 

 パンデミックも少し落ち着いてきて、本寺小路に人出も戻りつつあるので、久しぶりに海外のビールを仕入れましたよ(樽が大きいので皆さんにたくさん飲んでいただけないと、中々減らない…)。

 

 発注した後で気が付いたけど、5月初旬に開催された2022年のワールド・ビア・カップ、フルーツビール部門金賞(最高賞)受賞じゃん! いや、発注してから気が付いたんですけども。

www.worldbeercup.org

 

 というわけで、カリフォルニア州サンフランシスコからフォート・ポイント・ビア・カンパニーの「ユズKSAラードラー」をご紹介。

 

そもそもクラフトビールって何?

 まあ、人によって考え方が色々とあるとは思うんですけど、個人的にはヨーロッパの伝統的なビールづくり(あるいは日本酒などの世界の醸造酒)の歴史に敬意を払いつつ、大手の大量生産の工業的なビールとは違う味の飲み物を造ろうとする、穀物醸造酒の可能性を広げようとする飲み物、のことだと考えています。

 

 この10数年、日本ではクラフトビールIPA、西海岸のガツンとホップの効いたインパクトのあるビールや、ここ数年はヘイジーのトロピカルな香りのヤツが人気があるのは分かるんですけど、せっかくなら、もっと色んな味のビールを飲んだ方が面白くない? とか個人的には思うんですよ。

 まあ、嗜好品なんで人の好みはそれぞれでいいと思うんですけど、うちの店は基本的に、そういう考え方のヤツがやってます、てことで。

 

フォート・ポイント・ビア・カンパニーについて

 サンフランシスコ市はカリフォルニア湾を囲む半島の北端にある訳ですけども、その一番北、現在、ゴールデン・ゲート・ブリッジが架かる南のタモトにあるのが、昔の要塞、フォート・ポイントです。南北戦争時代に強化された要塞が史跡として現在も公開されているみたい。

 醸造所は、その要塞が見える距離にあるプレシディオ地区で2014年から操業中。

 心がけているのは、バランス、親しみやすさ、ニュアンスの3点ということで、インパクト重視のどギツいビールとは違う、毎日飲んでも飽きない味を目指している、とのこと。

 クラフトビールが盛んなアメリカ西海岸、カリフォルニアと言っても、有力ブルワリが集中しているサンディエゴは南部、北部のサンフランシスコとは700km以上離れているわけで、飲食に対する嗜好も少し違うのかもしれません。

 

fortpointbeer.com

 

ケルシュ/KSAとは?

 「ケルシュ」は「ケルン風の」というドイツ語で、文字どおりドイツ北部、ケルンで生まれたビール。

 一応、「シャンパン」のように、EUの地理的表示保護制度(PGI)で管理されており、EU内ではケルン産(かつ組合加入)のビール以外は「ケルシュ」を名乗れない、ということで、「ケルシュ風エール」という意味の、KSA(ケルシュ・スタイル・エール)と呼ばれることもあります。

 

 名前のとおり、高温発酵のエールビールではあるのですが、古くから南ドイツの低温発酵ラガービールの影響を受け、また対抗してきたことから、エールなのに発酵後の熟成は低温でかけるそうです。

 見た目や味の面では、金色に輝く軽い味わいのエールは、ピルスナーや南ドイツのヘレスの影響を受けて、ヨーロッパ各地で造られてきた訳ですが、他の地域のゴールデンエール、ブロンドエールに比べると、アルコール度数が低め(4%程度)で低温熟成の効果もあり、より飲みやすい、というのが特徴となっています。

 

 ちなみに本場ケルンのレストランでは、「シュタンゲ」と呼ばれる200mlの細長いグラスに注がれ、飲み終わると自動的に次の1杯がテーブルに置いていかれる、という「わんこそば」ならぬ「わんこビール」スタイルで提供されているらしいです。コースターに飲んだ杯数をチェックしていって、飲み終わったらコースターでグラスにフタをしてお会計するんだとか。

 

 アメリカのクラフトビールシーンでは飲みやすさから、夏場のビールとして人気があるらしいですが、フォート・ポイントの定番「KSA」は4.6%で、飲みやすく飽きのこないビールを追求する彼らの定番ビールの中でも看板商品となっています。

 

www.craftbeer.com

fortpointbeer.com

Fort Point KSA / フォート ポイント ケーエスエー – Antenna America

 

ラードラー = ドイツのシャンディガフ

 ビールが苦手な若い人が飲むビアカクテルで、ビールをジンジャーエールで割る「シャンディガフ」は日本でも親しまれています。

 英語圏では現代では略して「シャンディ」と呼ぶことが一般的らしいです。さらに、ジンジャーエールより、レモネード(炭酸が入った、レモンスカッシュの方*1)で割る方が一般的で、これをフランスでは「パナシェ」、ドイツでは「ラードラー」と呼びます。

 ドイツではレモン以外にも柑橘系の炭酸で割ることもあり、元々割った状態で売られているものも多いみたいですが、ビールが特に苦手でない人でも、夏になると飲む、という位置づけのようです。

 

 ちなみに「ラードラー」、ドイツ語で元々は「自転車乗り」という意味だったらしいです。一説には、ドイツでラードラーが広まった20世紀初頭、健康志向の自転車ブームも同時に発生し、ミュンヘン郊外のサイクリングの目的地として人気があった店で出されていたのがビールのレモネード割だったから、とのこと。

 

 

 フォート・ポイントの「ユズKSAラードラー」は夏の季節限定。4.3%のさっぱりしたKSAに、レモンの代わりにユズ果汁を入れて、ユズの香りと酸味でさらに爽やか。

fortpointbeer.com

Fort Point Yuzu KSA / フォート ポイント ユズ ケーエスエー – Antenna America

 

おまけ

 ここまで長文にお付き合いいただきありがとうございます。

 まあ、ここまで書いておいてアレなんですけど、アメリカのビール、結構、お値段がお値段なんですよ! あんまり気軽に飲みに来てね、とも言いづらい。

 と言うことで、最後まで読んでいただいたお礼。

 

 店頭で「ブログ読んで来ました」と言ってください。

 ユズKSAを注文していただくと、以下のとおり特別価格で提供します。ベースはシャンディガフなので、ビールが苦手な人を誘って是非。まあ、ユズが苦手な人はごめん…。

 

 (特別価格)

 ・R  1,500円 → 1,100円

 ・S  1,200円 → 900円

 ・SS 1,000円 → 700円

 

 アメリカの樽は大きいので1週間くらいは楽々なくならないと思いますので、よろしくどうぞ。

 ※たまに、1か月後くらいに「見て来ました」という方がいらっしゃいますが、さすがに1か月は無理…。そもそも1週間くらい経つと風味が落ちてくるので、落ちる前に自分で飲んで終わらせるし…。

*1:なお、日本語のラムネもここから