Beerhouse³ 営業日誌

ものづくりの街、新潟県三条市でビール屋やってます

長野県小布施町に行ってきました

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 どうも。新潟県三条市の中心部、「本寺小路」でクラフトビールを中心とした飲食店「Beerhouse3」を、とりあえず何とか開業いたしました店主いけのです。

 

 こないだ小布施町に行ってきたんですよ、オブセマチ。

 

 こないだと言っても、「Snow Monkey Beer Live」に行ったついでに、せっかくなので1泊して足を延ばした、というところなので、既に1か月も前の話なんですが。

 

snowmonkey.jp

 

  小布施町って、一般の人たちには、どのくらい知られた存在なんでしょう?

 

 地方都市の行政関係者、特に観光や地域活性化に関わる人間には、ちょっとした成功事例として結構、有名なんですが、なにげに自分も初めて行ったくらいなので、どの程度、一般に知られているのか。

 

小布施町 - Wikipedia

 

 で、一観光客として歩いてみた結果としては、意外としょぼかった…。

 三条からだと楽々、日帰りで行ける距離(そして、おそらく関東の大半の都市からも)なのだけど、わざわざ日帰りで行くほどの場所ではなく、今回のように、長野に他に行く用事があって、どうせ一泊するなら、ついでに寄ってみるか、くらいの街、という印象。 

 

 でも、たぶん、そこをポジショニングとして狙っている感じがあって、それは大正解なんだと思います。

 スキー(夏はハイキング?)や温泉、地獄谷の猿、善光寺川中島古戦場といった観光コンテンツが豊富な長野県(特に北信地方)にあって、特にコレと言った観光資源も持っていなかった小さな町が、そのまた、ごくごく小さなタテヨコ数百メートルの(歩いて回れる)範囲内に特化して、見事に観光地化に成功している、という。

 わざわざ行くほどでもないけれど、長野に行ったついでに半日*1を過ごすくらいには、まあ、ちょうどよいかな、という。

 

 この辺りが地方都市の成功事例として取り上げられる理由でもあるのかもしれません。

 三条で言えば、佐渡、寺泊、弥彦・岩室といった王道観光地への途上であったり、あるいは長岡花火や大地の芸術祭フジロック、NGT48、新潟アルビレックスといった各種イベントのついで、あるいは混雑時の宿泊先として新幹線経路上の燕三条駅周辺ビジネスホテル利用、という明確な潜在需要があるわけで、その人たちに、どうやって半日、あるいは1日を過ごしてもらえるか。

 

 それにしても景観や回遊性の面で、大きく貢献していたのが、枡一市村さんという酒蔵さんと、桜井甘精堂さんというお菓子屋さん。両社とも私有地の一部を開放して散策ルートを提供している感じでした。

 

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 裏路地を歩いていると、お菓子工場のバックヤードに「近道」のサイン。

 

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 お菓子工場の脇を抜けると、写真は撮りませんでしたが、社長さんのご自宅とおぼしき普通の民家の前を過ぎて、表通りの「栗の木テラス」へ。

 

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 幕末の宿場町推しの観光地に、西洋風ティーハウスかよ、と思いつつも、どうやら、ここも小布施の大集客スポットらしく、そもそも幕末推しの前から営業してられるのかもしれません*2

 

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 モンブラン、普通にうまい。桜井甘精堂さん以外にもいくつかのお菓子屋さんが小布施町では栗のお菓子を推しているようですが、これは確かにうまい。

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 こちらは酒蔵、枡一市村さんの製菓部門小布施堂さん。お取り抜けくださいって、普通に民家のお庭っぽいですが、、、

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 こちらも小布施堂さんの関連施設。

 

 このエリアの歴史的建造物は、元から建っているものだけという訳ではなく、いくつかは(市外からも含めて)移築した物件、ということです。

 この辺り、両社と行政、周辺他企業との関係性はただの観光客には見えてきませんでした。

 

 費用面や用地等で行政の支援を受けているにしても、民間企業やその資本家・経営者がそれなりの責任を背負って動いてるのだろうとは思います。

 これからの時代、こういう地方の大旦那様が地域活性化を牽引していく時代になるのかもしれない、と思いました。封建時代とは違う意味で。いや、同じかもしれませんけど。

 班田収授の法による公領制の時代から、三世一身の法、そして墾田永年私財法による荘園制度の発達、みたいなね。

 

荘園 (日本) - Wikipedia

 

 まあ、当店はそこまでの大旦那様には、なれそうもありませんが…。

 

 以下、いくつか小布施の気になったスポットなど。

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 いまや全国のイオンとかに入っておられる和風食材小売の「久世福商店」さんて元は、長野県北部に拠点を置くワイナリーらしい。で、その小布施店。へー。

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 自転車屋さん…ですよね?

 

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 自転車屋さんの裏にある土蔵を使ったカレー屋さん。写真左端のノボリは、、、

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 長野県内ブルワリー4社。ノボリの存在がビジュアル的にどうかとは思いつつ、県内クラフトビールを観光地の飲食店が出すのは良いことではないでしょうか。カレー屋さん、入りませんでしたが。

 

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 いや、長野と言ったら、ソバですよね、的な。

 

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 写真だと分かりづらいですが、右手前、フチが赤みがかった天ぷらはリンゴでした。うまい!

 

 そう。小布施で土産を買おうと思って、悩ましかったのは、長野の中に埋没しない小布施、ということで栗を推しているのは理解できるのですが、リンゴのお菓子だとか、おやきとかをあんまり見かけませんでした。

 うーん、「長野に行ってきました」ではなく「小布施に行ってきました」ならば、栗でよいのだろうけど、普通は「長野に行ってきた土産」を買いたい訳で、リンゴとかおやきとかベタなものも必要なんではないだろうか。

 周辺を車で走った感じでは、普通にリンゴ畑とおぼしき果樹園も広がってましたし。

*1:観光開発の起爆剤になったという葛飾北斎美術館とかは今回、立ち寄らなかったので、その辺をじっくり見ると1日過ごせるかもしれません

*2:桜井甘精堂さんはこのエリアで複数店舗を運営しておられ、他は全て茶店風の和風店舗でした