
はい、こんにちは、新潟県三条市でクラフトビールの店をやってる、いけのです。創作における個性と生成AIについての駄文です。2025年11月時点での現在地確認のためのメモ。
模倣から始まる独創───独創は“ズレ”として生まれる
創作の第一歩は模倣から始まる。おそらく文学でも絵画でも音楽でも変わらない、人間の創作の普遍的な出発点だ。偉大な先駆者に刺激を受けて、その技法を追いかける。ノートの端に好きな作家の文体を真似て文章を書く。名ギタリストのソロを耳でコピーする。
この「真似る」という行為の中で初めて、私たちは自分の技術の限界に気づき、そこからわずかに逸脱した“癖”───つまり個性が生まれる。
エディ・ヴァン・ヘイレンは、誰かが自分の曲をコピーしたり機材のセットアップを真似ても、「エディの音にはならない」と語ったという。エディの音楽は、アンプにではなく、「指」に宿るのだ、と。
つまり、手の大きさや筋肉の付き方、身体そのものが違うから、決して同じ動きにはならず、そこから生まれるトーンやリズムも変わってくる、ということらしい。
これは単なるギタリストの自負という話ではない。
人間の創作が「身体性」という逃れようのない個別性の上に成り立っているという真理を示している。
人は他人を模倣しようとしても完全にはコピーすることができない。その“ズレ”こそ独創の源であり、逆説的ではあるけれど、独創とは模倣の精度が低いという欠点の副産物ではなく、模倣の過程に内在する必然の果実なのだ。
こうした観点からすれば、完全に先駆者を必要としない独創───文化の系譜から浮かび上がるように突然現れた“純粋なオリジナル”───は、理論上は可能でも、実際にはほとんど存在しない。
むしろ、そうした孤高の創作はしばしば、歴史上の文脈から逸脱した「異端」として理解されず、排除される。鑑賞者は既存の文法の中で作品を読み解こうとするからだ。文法から飛び出した作品は、新しすぎるがゆえに、しばしば受け入れられない。
生成AIと模倣───個性の欠落
生成AIは、人間とは違う地点から創作を始める。AIもまた先行作品を学習し、模倣する。しかし、そこには「指」も「筋肉」も「癖」もない。身体がないということは、人間が不可避的に抱える“ズレ=個性”を自然には生まないということだ。
AIは、模倣を完全に遂行できる。
いや、もっと正確に言えば、膨大な模倣の“平均”としてもっとも綺麗な形を出力できる。その結果、生成AIの作品は往々にして「うまいが、個性がない」。安全で、美しく、しかしどこか匿名的だ。
これが、ここ数年のAI生成台頭の中で、AI生成作品に対して鑑賞者がうっすらと感じる違和感の正体なのだろう。
AI時代の創作者がすべきこと───“ズレ”を意図的に作る
では、これからの創作者はAIとどのように向き合うべきなのだろうか。
おそらく、これからの創作者は、AIを使うにせよ、排除するにせよ、これまで無意識に起きていた“ズレ”を意図的に設計する必要がある。
たとえば、ゴッホの模倣を志すときに、ゴッホとは違う時代、違う作風の画家の要素も取り入れ、さらに彼らが描かなかった、たとえば日本海の冬空のような題材を選ぶように、複数の要素を掛け合わせるとか。
あえて平均を取ろうとするAIに対して、少し崩れた構図や、不完全なリズム、矛盾する感情などの制約を与えて、バランスを崩してみる、とか。
自分のこれまでの体験、生活を振り返り、自分だけの要素をAIへのプロンプトに盛り込む、とか。
つまり、AIに完璧さを担当させ、人間が不完全さを担当する、という新しい分業を試みる必要がありそうだ。AIには生成できない、人間だけが与えられる偏りや不均衡が、独創性を生み出すのだ。
おわりに───独創の未来のために
模倣は罪ではない。むしろ創作者にとって、模倣こそが最初の天恵だ。重要なのは、模倣のなかに潜む“個人のズレ”をどのように拾い上げ、どのようにそれを作品へと昇華するかである。
AIの登場により、このズレは「自然に生まれるもの」から「意図的に生み出すべきもの」へと変わった。これは創作の危機ではなく、むしろ新しい成熟のチャンスだ。私たちは今、模倣と独創の関係を再発明する時代にいる。AIの完璧さに寄りかかるのではなく、
AIに寄り添わせながら、人間にしか作れない偏りや“歪み”を取り戻す。
そのとき、私たちの創作はAIに奪われるどころか、AIによっていっそう豊かになるのではないだろうか。
あとがきにかえて
文章は、いけのが疑問点をいくつかChatGPT先生*1に投げる
→ ChatGPT先生の回答を確認(今回は大きな違和感なく概ね同意)
→ 解答をベースにChatGPT先生にエッセイをまとめさせる
→ 微妙に表現や文言をいけのが修正
→ ChatGPT先生に再修正を提案させる(一部採用)
で、書いております。
トップのアイキャッチ画像は、文章作成後にテーマにふさわしい画題と画風をいくつか提案させた中から、いけのが選んで、ChatGPT先生が生成(中々思う通りの仕上がりにならず、何度か再指示)。PC上で色調やアスペクト比は多少いじってます。
ついでに、今回はChatGPT先生とSuno先生の合作でテーマ曲も生成しました。
ジャンルについていくつか候補を提案し、ChatGPT先生がジャンルを選択、曲風、歌詞も先生にお任せして、それをコピペでSunoに入れると無料版4.5でフル2曲、有料版5.0のサンプル2曲を作ってくれます*2。
Version 1
Version2
Lyrics (by ChatGPT先生)
[Verse 1]
I traced the lines of every ghost I tried to follow,
But perfect shapes can never hold the weight of sorrow.
These trembling hands were never made for imitation,
I’m breaking through the noise of endless replication.
[Pre-Chorus]
Every flaw, every fracture, every crooked line—
They pull me back to the place where my heart still shines.
[Chorus]
I’m not a copy, I’m not a machine,
I’m the spark in the cracks where the light bleeds in.
From the static, from the error, from the broken seam—
This is my voice, rising out of the screen.
[Breakdown / Scream Part]
Tear down the perfect shape—
I was born from the beautiful mistakes!
[Final Chorus]
I’m not a copy, I’m not a machine,
I’m the spark in the cracks where the light bleeds in.
Through the chaos, through the pressure, through the endless stream—
I found my voice, in the places I was never meant to be.
無料版フルだとver2の方が好みっすかね。
一方、有料版サンプルのクオリティには瞠目するけども、今の自分では課金してまで使う用途は思いつかない。作業用BGMみたいな、空間を埋めるために流しておくだけの音楽なら、AIに無限生成させておく時代がすぐそこまで来ている、とは思います。ASMRとかもいけるのかね。
これを脅威に感じるのではなく、人間に出来ることは何かを考え、どう利用していくか、というのが今日のブログのテーマな訳ですが。




