スーツにジャンパーを着た人のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや
どうも。新潟県三条市の中心部、「本寺小路」でクラフトビールを中心とした飲食店「Beerhouse3」を、とりあえず何とか営業しております店主いけのです。
ネットでちょっとバズってたジモコロさんの記事。
専門学校も大学もない、つまり高校を卒業すると大半の人たちが進学のために街を出て行ってしまう、という福井県大野市の話(そこに持ってくまでの枕の書き方とか、記事としても秀逸と思いますが)。
そこで、地元の高校生に地元の企業を紹介するポスターを作ってもらう。
ポスター制作の取材を通じて地元のことを知ってもらう。地元を調べるうちに、地元にいる面白い人とつながってもらう。そして、自分たちが街のために何かできる、と気づいてもらう。
仕掛けたのは、大阪の商店街で個人商店を紹介するポスターイベントを企画した電通の人。
電通公式。ご本人による大野の話も掲載されてますね。
うん。いい話だ。
費用対効果を考えなければ、ね。
大阪の商店街ポスターの件も、地方活性化マニア以外の間で、どのくらい有名なのかは分からないけれど、当時から懐疑的な意見も結構あって。
つまり、大阪のそれが成功だとして、他の地方都市が真似をして移植する価値があるのかどうか。
大阪のやつは、1番目だから成功して全国メディアに注目され、それが地元での成功感にもつながるけれど、ただ真似をしても、2番目以降は全国メディアからは注目されない。そうすると、ポスターそのものの力だけで、どのくらい街が活性化するのか。つまり、個々の商店の経営がどれだけ改善するのか。
あるいは、これは「広告代理店」の電通さん起点の企画だからポスター、という提案に至って、それは広告の「戦術」としては優れているのだろうけれど、そもそも地域活性化を図る上で、広告という「作戦」の優先度はどれほど高いのか。
今回の大野の件に関して言えば、ご本人が上記「電通報」の末尾に書かれているとおり。
「大野へかえろう」の本当の効果は、大野に戻って来る若者が増えるということ。結果が出るのは、何年も先にはなります。ぼくらがやったことは感動を呼び起こしたけど、成功なのかどうかは分からない。
まさに。
特に、他の街が、この企画をいい企画だと思って、似た企画に取り組む際に、今の時点でも確認し、意識するべきだと思うは、この企画に参加してくれた高校生たちが、高校の中で、あるいは小中学校の友達との関係の中で、どういうポジションの子たちなのか、というところ。
運動部のスターや、クラスの人気者たちが参加してくれて、その世代の子たちみんなにちゃんと伝わっている、とか、だといいな、と思います。
あるいは、逆に、地味な美術部の子たちしか参加してないけれど、こうしてメディアに取り上げられたり、街でポスターを見かけた子たちから、「お前、すげーな」って言われたりするようだと、もっといいな、と思います。本当に街を変えられる力を、ゼロをイチにできる力を持っているのは、クラスの人気者ではない、と思うから。
もちろん、優等生からロクデナシまで、いろんな人間が集まって、同級生同士でもお互いの存在を認め合う、ジョン・ヒューズの「ブレックファスト・クラブ」みたいな状況になったら、もっと素晴らしい。
でも、現実に市役所がこういう事業を仕掛けたときに起こりがちな、真面目な子たちや、地味な子たちだけが参加して、外に広がっていない、とすると、ちょっともったいないな、と思います。
参加した子たちにしっかりと刻まれて彼らが将来、街に戻ってきて、確実に街を変えていく存在になれるとして、そんな悠長なことを言ってられるのか、という気もするので。
高校生が街を知り、街にいる大人の存在を知り、そして自分もそうなれると知ってもらう、という試み自体は大変、素晴らしいものだと思いました。
なお、現在の当店は、ビールを売りにする以上、高校生と一切、接点を持てないですからね! しょうがないね!
ちなみに、過去にバズったジモコロさんの記事の中に、「燕三条」ネタ*1もあるそうです。