どうも。新潟県三条市の中心部、「本寺小路」でクラフトビールを中心とした飲食店「Beerhouse³」を、とりあえず何とか営業しております店主いけのです。
なんか、うちの街の図書館が新設*1移転するにあたって、愛称を募集しているらしいんですよ。
10/7(木)まで、賞金30万円。
まあ、正確には図書館じゃなくて、同じ建物の中に、理科センターと鍛冶ミュージアムも併設される複合施設なんですが。
現状、自分も含めて、市民はみんな「新しい図書館」と呼んでいるので、他の機能もあるよ、というアピールのためにも、別の名前があった方がいい気はしますね。最終的に「図書館」と呼ばれることになるとしても。
自分はネーミングとか、短いキャッチコピー的な言語センスは壊滅的に絶無なので、自分が応募しようとは思わないんですけど。
ただ、なんか、周辺の三条鍛冶道場やステージえんがわ、中央公民館、歴史民俗産業資料館あたりとの関連を含めて、ドーナツ化が進む旧市街地*2の再活性化の拠点であったり、あるいはデジタル化が進む中で紙の本を収蔵する施設の新しい役割なんかを期待させる名前だといいんでしょうかね。
みつける、しらべる、しる、まなぶ、あつまる、あつめる、みたいなワードで。
なんか、こういう公共施設の愛称って、今の流行は、越後方言をロマンス諸語*3っぽく、ひらがな書きするヤツ(~なーれ、~って)なんすかねー、とか思ったりもするんですけども。
で、ふと思い立って、「図書館」ってロマンス諸語で何と言うのかググったら、またしても知っていても人生に1ミリの役にも立たないムダ知識を集めてきてしまった…。
英語「Library」の語源である、ラテン語「Librarium / Libraria」由来の単語で図書館を呼ぶ言語はゲルマン系含めても英語以外に見当たらないようだ…。
ロマンス語でも、ゲルマン語でも、現代の欧州言語で「図書館」を指す単語は、ほぼギリシア語の「Bibliotheca」由来…。
フランス語:Bibliothèque スペイン語:Biblioteca イタリア語:Biblioteca
ドイツ語:Bibliothek オランダ語:Bibliotheek スウェーデン語:Bibliotek
そもそも、ラテン語でも図書館は「Bibliotheca」と呼んでたみたい*4。
語源的には、「Biblio-」が「聖書」(Bible)と同語源で「本」、「-theca」は「収納」で、「書庫」、「蔵書室」みたいな。
ラテン語の「Libra」も「本」で、「-arium」は「~の場所」。アクアリウム、プラネタリウム。
一応、現代のロマンス諸語には「Libraria」から派生した単語で、フランス語「Librairie」、スペイン語「Librería」、イタリア語「Libreria」とかがあるのだけど、これらは「図書館」ではなく、「書店」の意味らしい。あるいは「本棚」。
まあ、日本語の「本屋」と「書店」みたいに、ギリシア語の方が重々しくて、ラテン語の方が日常的、普段使いの言葉ってことなんですかね。
ちなみに「図書館」を指す単語として、ドイツ語には「Bücherei」、オランダ語には「Boekerij」って単語もあるみたいだけど、どちらかと言うと、「図書館」よりは「図書室」みたいな小規模のものを言うらしい。
構造はラテン語と一緒で、前半は「Book」の意味で、後半は「~の場所」ですよね。
ビールで言うと、醸造「Brew」する場所「醸造所」が英語で「Brewery」、ドイツ語で「Brauerei」、オランダ語で「Brouwerij」。
パン屋は英語で「Bakery」、ドイツ語「Bäckerei」、オランダ語「Bakkerij」。
…だと、英語にも「Bookery」って単語がある…のか…?
ググると、それこそ本屋さんの名前で結構あるらしい。
ともあれ、図書館以外の機能も含めて、注目が集まるような名前が決まるといいですね。結局、図書館て呼びそうな気がするんですけども。