Beerhouse³ 営業日誌

ものづくりの街、新潟県三条市でビール屋やってます

ChatGPT先生に自己批判と改善をさせてみる話


はい、ビールと科学技術にご興味をお持ちの皆さん、こんにちは。新潟県三条市クラフトビールの店をやってる、いけのです。

 

ChatGPT先生…に限らず、自然言語処理AIの効果的な使い方で、彼らは言葉の関連度合いから文脈を保持するので、役や性格を与えて成りきらせる、明確に指示を出す、という手法が浸透しつつあります。

 

で、それをさらに進めて、ChatGPTに複数の役割を負わせて、自分で自分を教育し、改善させる、というのに取り組んでいる人がいたので、やってみましたよ。

 

 

なお、やりとりはすべて英語。DeepL先生による日本語訳を手直ししています。さすがに英語でもこれは処理が重かったので、日本語ではやりたくない。

 

お題 新人作家君、小説を書いてみたまえ

あなたは新人作家です。

 

以下の素材をもとに、500語*1程度の女の子たちのゆるふわ日常系*2小説を書いてください。

 

地方都市、食堂、20歳の少女、女友達、鍛冶屋が多い街、衰退、復活。

 

 

初稿

鍛冶屋がひしめく賑やかな街に、小さな食堂が懐かしさの灯火をともしていた。ドアの上のネオンサインは「ニーナのダイナー」と点滅し、店の前を通る人たちに懐かしの味をどうぞ、と呼びかけている。

この日も、20代前半の女の子たちが、談笑しながら店に入ってきた。彼女たちの中心にいるリリーは、いつでも面白いことを探していて、それが自分の使命だとすら思っていた。最近みんな元気がない。かつては盛んだった鍛冶屋が衰退していくのに合わせるように。

リリーは、メニューを見ながら、かつてのこの街の栄光を懐かしんでいた。リリーの父親もかつては鍛冶屋で、子供のころのリリーは、街中に溢れていた誇り高き職人たちの話を聞きながら育った。その鎚音は今や遠い思い出でしかない。近代化の騒音の中に飲み込まれて今はもう聞こえてこない。

でも、リリーは後ろ向きな感情に縛られる人間ではない。リリーはこの街に活気を取り戻そうと決めた。みんなで何か新しいことをできないかな。ハンバーガーとポテトを食べながら、リリーは友人たちに言ってみる。「鍛冶クラブを作るって面白そうじゃない?」

周りの女の子たちは戸惑いを隠せない。誰も金鎚を握ったことなんてないし、自分たちに何かを作る才能があるとは思えなかったからだ。それでも、リリーは粘り強く説得し、最後には全員が「やってみよう」ということになった。

それから数週間、リリーは鍛冶屋に必要な道具や教科書を探し回った。そして、裏庭にみんなで仮設の鍛冶場を作り、いろいろな技を試してみた。

最初は苦労した。何度も叩いているうちに腕が痛くなったし、初めての挑戦は不器用で不均一な形の金属の塊にしかできなかった。でも、一緒に作業をしながら、コツや助言を言い合ううちに、だんだんと上達していく。ゆっくりと、でも確実に、美しいものをつくれるようになっていった。

リリーの鍛冶クラブは噂を呼んで、すぐに街の若者たちも興味を持ち始めた。やがて勉強会や品評会が開かれるようになり、いつしか街に鎚音が再び鳴り響くようになった。

街の鍛冶屋が復活するとともに、人々の心に活気が戻ってきた。リリーと仲間たちの始めたことは大きな波となった。リリーたちは、この街が再び賑わいを取り戻したことがちょっと自慢だ。

ニーナのダイナーでお祝いの食事をしながら、リリーはこの冒険に参加してくれた仲間に感謝の念を抱かずにはいられなかった。みんなは、自分たちの失望の中から行動を起こし、その行動が自分たちの街の未来を切り開くことにつながったのだから。


   ※   ※   ※

 

500語という指定があるとはいえ、鍛冶クラブ結成から街の変化までが急すぎんか? *3

 

てことで、本日の本題である、自己学習の時間。

 

 

改善指示 みんなで話し合って

そいじゃ、こっから1人3役でやってちょうだい。

 

あなたは、批評家、編集者、そして新人作家です。

 

批評家さん、先ほどの作品について100語程度の批評を加えてください。

 

編集者さん、それを受けて、200語程度で新人作家に書き直しのアドバイスをしてください。

ただし、批評家の言うことをすべて真に受ける必要はありません。あなたは敏腕編集者として新人作家の才能を見出し、もし彼が誤解されているのであれば、その埋もれた才能を発揮できるように励ましてあげてください。


新人作家は編集者のアドバイスを受け、書いたばかりの作品を書き直してください。批評家の言うことを鵜呑みにせず、編集者のアドバイスと自分の才能を信じてください。

 

批評家、編集者、新人作家、それぞれの立場

4.1 批評家

批評家として、私はこのCGDCT小説はよく書かれており、魅力的であると言わざるを得ない。丁寧な描写で、食堂、街、鍛冶産業の衰退と復活のイメージを鮮明に描き出しています。友情と忍耐というテーマもうまくストーリーに織り込まれている。

 

しかし、少女たちの鍛冶クラブにもっと焦点を当ててもよかったのではと感じた。彼女たちの奮闘と勝利に触れてはいるが、もっと肉付けしてもよかったのではないか。また、鍛冶クラブというアイデアはユニークで面白いのですが、そもそも彼女たちがどうして鍛冶に興味を持つようになったのか、もっと詳しく書いたほうがいいと思います。

 

4.2 編集者

編集者としては、新人作家さんには、彼女たちの鍛冶屋クラブにもっと焦点を当てることを提案したい。

 

初心者の彼女たちが、どのように鍛冶クラブの冒険を始め、どのような苦労をしてきたのかが、ストーリーの中心になるはずです。彼女たちがどのような経験をし、どのように成長していったのかがわかると、物語に深みが出るでしょう。また、なぜ彼女たちが鍛冶に興味を持ったのか、その背景をもっと詳しく書くと、物語に説得力が生まれます。

 

また、編集者としては、新人作家の創造性を引き出し、物語に深みを与えるようなさまざまな切り口を模索することを薦めます。

 

4.3 新人作家

新人作家である私は、編集者のアドバイスに従って、少女たちの鍛冶クラブにもっと焦点を当てます。そして、彼女たちの苦悩や成功をより詳しく描き、彼女たちの冒険に焦点を当てた物語にします。

 

また、彼女たちがなぜ鍛冶に興味を持つようになったのか、家庭環境や個人的な趣味を探ることで、より深く掘り下げることもできるでしょう。そうすることで、物語がより親しみやすく、個人的なものになるはずです。

 

また、少女たちの冒険に食堂やその常連客を登場させるなど、よりクリエイティブな切り口で物語を展開させることも考えられます。

 

編集者のアドバイスを受けながら、自分の創造性を信じて、より魅力的な物語を作り上げることでしょう。

 

   ※   ※   ※

 

作家君がリライトを出してくるかと思ったら、リライトに向けた決心を語ってきた。指示出しをDeepLにかけたときに、「自分が書いたものをリライトしろ」ではなく「編集者の言葉をリライトしろ」と取れるような文章になっていた*4

 

ただ、ChatGPTへの指示出しで、自分がやることを復唱させるのも、文脈の強化という意味で、「呪文」を強化するのには効果的らしい。

 

リライトよろしく

新人作家さん、そいじゃ、編集者のアドバイスと自分の才能を信じて、全編書き直しをしてみてよ!

 

第2稿

鍛冶屋がひしめく賑やかな街に、小さな食堂が懐かしさの灯火をともしていた。ドアの上のネオンサインは、「ニーナのダイナー」と点滅し、店の前を通る人たちに懐かしの味をどうぞ、と呼び掛けている。

 

リリーは20歳の女の子。仲のいい女の子たちとよくこの食堂に来る。リリーの父親もかつては鍛冶屋で、子供のころのリリーは、街中に溢れていた誇り高き職人たちの話を聞きながら育った。その鎚音は今や遠い思い出でしかない。近代化の騒音の中に飲み込まれて今はもう聞こえてこない。

 

ある日、リリーいつものようにダイナーに座って、友人たちに「うちらで鍛冶屋をやろうよ」と提案した。女の子たちは戸惑いを隠せない。でも、リリーは頑として譲らなかった。リリーは、街で鍛冶の道具や教科書を探し、自宅の裏庭に即席の鍛冶場をつくった。

 

初めての挑戦は不器用で不均一な形の金属の塊にしかできなかったし、何度も叩いているうちに腕も痛くなってた。でも、一緒に作業をしながら、コツや助言を言い合ううちに、だんだんと上達していく。ゆっくりと、でも確実に、美しいものをつくれるようになっていった。

 

リリーの鍛冶クラブは噂を呼んで、すぐに街の若者たちも興味を持ち始めた。やがて勉強会や品評会が開かれるようになり、いつしか街に鎚音が再び鳴り響くようになった。

 

街の鍛冶屋が復活するとともに、人々の心に活気が戻ってきた。リリーと仲間たちの始めたことは大きな波となった。リリーたちは、この街が再び賑わいを取り戻したことがちょっと自慢だ。

 

自分たちの冒険を振り返って、リリーは、自分たちの鍛冶への想いは、過去とつながり、家族の伝統を受け継ごうとする気持ちから沸き起こったのだと気づく。リリーは、一緒に冒険に加わってくれた仲間に感謝している。自分たちが地域に変化を生み出せたことを実感しながら、みんなでさらなる未来を見つめている。

 

ニーナのダイナーでお祝いの食事をしながら、リリーたちは自分たちの冒険がまだ終わっていないことを知っていた。リリーたちが街に点けた情熱と復興の炎は燃え広がっている。この熱気は次は自分たちをどこへ連れていってくれるのだろう。

 

   ※   ※   ※

 

字数に制限があるので、話の運びにつたない部分はあるものの、ChatGPT先生が自分で課題を発見し、改善できることを確認しました。

 

長さとしては、おそらく、このくらいが限界で、もう少し長い話を書かせる場合、まずあらすじを書かせて推敲し、いくつかのパートに分けて小分けで作業をすることになるのだと思います。冒頭にも書きましたが、英語でもそうとう処理に時間がかかる感じはあったので。

 

今回、新人作家が直接、原稿をリライトしてこなかったので、批評のフェーズとリライトのフェーズを分ける、というのも方法かなと思いました。その際、小説家君に自分の方針を語らせるかはともかく。

 

なお、批評部分は文字として書かせた方が、明らかに次の文章に反映される、とのことです。冒頭でも書いた通り、文章のつながりからの連想で処理しているからだろうけど。

 

その意味では、批評家、編集者、作家それぞれに意見を言わせる前に、そもそもどういう視点で作品を見て意見を述べるべきか、の一般的な論点を語らせてから、実際の具体的な意見を言わせるともう少し精度が上がるのかもしれません。

 

 

今日のヘッダ画像は、Stable Diffusion先生公式から、鍛冶屋のイメージ。うーん、欧米と日本で雰囲気が違うので何とも。あと公式無料版は基本、真四角の画像を出してくるのだけど、これをトリミングして横長にすると、今回はちょっとイメージが違いすぎて正方形のまま。

*1:英文500語はだいたい日本語1000字に相当

*2:英語圏では、CGDCT = Cute GIrls Do Cute Thingsモノと呼ばれており、いわゆる日本の日常系よりも、もうちょい起伏のハッキリした青春小説要素が強いっぽい

*3:なお、舞台は日本のつもりで指示したけど、まあ、アメリカっぽいのはしゃあない。違和感あるようでしたら皆さん、食堂と主人公の名前は適宜、お好きな名前で

*4:ちなみに指示出しは英語で考えつつ自分で日本語訳を考え、DeepLに日本語入力→英訳したのをChatGPTに入力してるんだけど、文意の正確性に注意が必要なところに集中しすぎて、逆に簡単そうな文はDeepL訳のチェックを見逃す