はい、こんにちは、ビールも好きだけどメタルも好き。新潟県三条市でクラフトビールの店をやってる、いけのです。
昔は結構、各種音楽メディアを参考にして自分なりに1年を振り返ってベストアルバムを選んだりしていたのですが、ここ数年は、あんまり選んでませんでした。
そもそも中々、リアルタイムで新譜を追えていなくて、年末から翌年にかけて発表される各メディアの年間ベストを見てから、「そんなアルバムも出てたんだ!」と年が明けてからアルバムを買い足して、1年の前半は過去作ばっかり買って聴いてることも多かったり。
その点、今年は買ったアルバムの枚数自体は相変わらず多くないものの(30-40枚くらい?)、フェスに合わせて出演バンドをSpotifyで掘った際の関連リコメンドや、SNSを中心にわりとコンスタントに優良アルバムと出会って買った印象。
Spotifyだと買う前に少しでも気になったら、まず通して聴いて判断できるしね。
まあ、逆に今年はまだ各種年間ベストの類は、中身をあんまり見てなかったりするので、きっとそれらを見直すと買い漏らしに気づくものもはあると思いますが、ひとまず。
- 全体的な傾向と選外のアルバム
- 10 Bring Me The Horizon (UK) - "Lost" (single)
- 9 Asinhell (Denmark) - Impii Hora
- 8 Dying Wish (US) - Symptoms Of Survival (import)
- 7 Baroness (US) - Stone
- 6 Holding Absence (UK) - Noble Art Of Self Destruction (import)
- 5 Solence (Sweden) - Hope Is A Cult (import)
- 4 The Plot In You (US) - Left Behind (single)
- 3 Currents (US) - The Death We Seek (import)
- 2 Insomnium (Finland) - Anno 1696
- 1 Sleep Token (UK) - Take Me Back To Eden
- アフィリエイト・リンク
全体的な傾向と選外のアルバム
ランキングに入る前に、ランキングには入らなかったけど、今年、他によく聴いたアルバムは、バンド名アルファベット順で、Asking Alexandria "Where Do We Go From Here"、Beartooth "Surface"、Cyhra "Vertigo Trigger"、Kvelertak "Endling"あたり。
In Flamesの"Foregone"アルバムも "The Great Deceiver"あたりは、まあ結構、いいと思うんですけどね。相変わらずex-In Flamesのアンダースとビョーンがやってる別バンドだったら、もう少し前向きに評価できる気がするけど、自分が"In Flames"に期待するのはコレではない。2024年、The Halo Effectが2ndを出すらしいので、そっちに期待する自分がいる。
他には、フィジカルで入手出来てなくて配信でしか聴けてなかったりもするけど、Astralborne、Avenged Sevenfold、Code Orange、Green Lung、Invent Animate、Of Mice & Men、Spirit Adrift、Sylosis 辺りも良かった。
ここ数年、新譜の発見が遅れて年間ベストを選んでなかった理由の1つとして、優れたアルバムでも国内盤が出ないことが多いんですよね。さらに海外では、CDの売上が再び増えつつある、とは聴くけど、相変わらずプレスの枚数が少なくて、熱心なファン向けの初期プレスを買い逃すと、ほぼ廃番に近い状態でフィジカルを入手困難、というのはある。
あと、今年感じた大きな傾向として、配信が中心になってきたことから、海外バンドでも、制作はアルバム単位でやるとしても、リリースはシングル中心のバンドがかなり増えてきた。
アルバムが完成したら、シングルを数曲発表して(フィジカルではおそらく出していない)、並行してツアーを始めて、半年くらい経ってようやくアルバムが出る、みたいなパターン。個人的にはアルバムをフィジカルで買って聴きたい人なので、せっかくいい曲だったのにアルバム出るころには忘れてる、という事象もちらほら…。
リスナーはアルバム買って家に帰ってプレイヤーにセットして、その1枚のアルバムと対峙して聴く、というスタイルではなくなり、配信で気に入らなければアルバムの途中、曲の途中でも次々にホッピングしていくことから、まずはリスナーに認知してもらうことが必要、という判断なんだろけど。
なので、アルバム出てないバンドも2つランクに入れましたが、他では、I See StarsとSpiritboxの新曲も良かった。
10 Bring Me The Horizon (UK) - "Lost" (single)
という訳で、第10位は、その「シングルはリリースしているのに、アルバムがまだ出ない」状態のBring Me The Horizon。
当初はアルバムリリース、日本でのフェス主催からワールドツアー、という予定だったハズが、来日時点でアルバムは完成しておらず、オリバー・サイクス(Vo.)と作曲/プロデュースをコンビで務めてきたジョーダン・フィッシュ(Key.)が不在。そして先日、ジョーダンの正式な脱退と、アルバムは夏までさらに遅れる、というアナウンス。
ここ数作のポップセンスとそれによるファン層拡大はジョーダンによるところが大きいと思うので、今後、どうなっていくのか。まずは早くアルバムを出してください。
9 Asinhell (Denmark) - Impii Hora
ロカビリー要素を取り込んだキャッチーなメタルをやるデンマークのVolbeatのマイケル(ミカエル)・ポールセン(Vo./G.)が、Volbeat以前にやっていたメロディック・デスメタルに回帰した新バンドの1st。本人はギターに専念して、Vo.はex-Morgothの人。
活動開始に際しては、親交のあったEntombedのLG・ペトロフが2021年に亡くなったことが影響しているらしく、当初はEntombedの"Wolverine Blues" (1993) アルバムから"Full of Hell"をバンド名にしようとしたところ、既に同名バンドがいて、この名前に。
メロディック・デスメタルと言っても、90年代中盤以降のイェテボリ系のそれではなくて、あくまでEntombed由来のストックホルム・スタイル。
8 Dying Wish (US) - Symptoms Of Survival (import)
オレゴン州ポートランド出身、極悪デス声女性Vo.をフィーチュアしたツインGの5人組メタルコア。2ndフル。
Aftershockらのニュースクール・ハードコア勢の残党を中心にして、Killswitch Engage他、MAメタル/NWOAHM勢が勃興して、メタルコアがアメリカのうるさい音楽シーンの中心となって20年経つ訳で、ひとえにメタルコアと言っても、その音楽性は周辺ジャンルを巻き込んで多様化している中で、KsEやLamb of Godといった初期メタルコア勢を思わせるストレートでデス・メタリックなゴリゴリのメタルコア。
7 Baroness (US) - Stone
アルバム・ジャケットのデザインも手掛けるジョン・ベイズリー率いる、ジョージア出身スラッジ/ストーナー。1stの「Red」以来、色の名前が続いてきたアルバムタイトルは前作「Gold & Grey」で一旦終わって、通算6作目。
相変わらずサイケデリックではあるものの、以前よりダウナー要素は減って、ジョンと女性G.ジーナ・グリーソンのツインGが牽引する、かなり骨太なロックンロール。
6 Holding Absence (UK) - Noble Art Of Self Destruction (import)
2021年ベストでピックアップされてた2nd "The Greatest Mistake of My Life"で去年、存在を知ったウェールズ出身のエモい4人組の3rd。
同郷のFuneral For A Friend、初期Bullet For My Valentineといったバンドに続けそうな、非常に日本人受けするギターとヴォーカルの愁いを帯びたキャッチーなメロディが印象的なメタルコア。
今年はアルバムリリースに合わせて来日の話もあったみたいだけど、流れた模様。
5 Solence (Sweden) - Hope Is A Cult (import)
ベースレスで、Vo.、G.、Ds.、Key.の4人組という、エレクトロ要素というか80年代風シンセ・ポップ要素を前に出したスウェーデンのメタルコア。自主制作盤3枚作った後の通算4作目で、ホープレス・レコードと契約後では1作目。
スウェーデンのバンドらしいキャッチーなメロディとエレクトロ要素という点では、Dead By Aprilあたりに近いけど、遥かにポップ。今年、Loud Parkで来日したデンマークのH.E.R.O.とかにも近い部分もあるけど比べてしまうと、かなり陽。
4 The Plot In You (US) - Left Behind (single)
アメリカ・オハイオ州出身、2021年までにアルバム5枚出しているメタルコア/ポストハードコア4人組。めちゃくちゃキャッチーなスクリーモっぽいと思って聴いてると、なにげにギター中心にまあまあ複雑なことをやっていたり。日本では前々作あたりから次のバンドを探している熱心な人たちには注目されていたらしい。
この曲を含め、前作リリースから3曲配信シングル(+この曲のアコースティック版)を出している状況。
12月にオーストラリアのフェスに出たついでに、小さいハコでの来日公演がありまして、1時間弱とコンパクトなセットながら主要曲網羅して、演奏力も高く、良かったです。
3 Currents (US) - The Death We Seek (import)
5月にこのアルバムが発売されるまでバンド名すら知らなかったけどリリース直後から、Spotifyで推されていて聴いてみて、即購入決定、アメリカ・コネチカット州出身、モダン・メタルコアの3rd。日本盤未発売。
アメリカのバンドではありがちですが、シャープトーンと契約してアルバム・デビューまでに結成メンバーはドラム以外の全員交代していて、そのドラムも既にいない、らしい…。
非常に今っぽい、ヂェントを通過したソリッドでテクニカルなややデスメタル寄りの音像から、キャッチーなメロディも飛び出すメタルコア。
2 Insomnium (Finland) - Anno 1696
いまやベテランの域に達した、かつてはメンバー全員大学院生だったという、インテリ・メロディック・デス、Insomniumの9th。
文学博士であるニーロ・セヴァネン(B./Vo.)の手による、近世フィンランドの暗黒の年、1696年に関する物語に基づくコンセプトアルバム。
配信だけで聴いてて、フィジカルは入手したものの(リリースが春フェス直前のタイミングだったこともあり)未開封のまま放置してるんですが、国内盤はコンセプトアルバムの外伝的にボーナスディスクとして3曲追加されてて、海外では秋になってEPとして出たみたいです。
1 Sleep Token (UK) - Take Me Back To Eden
2019年のデビュー以来、注目する人はしていたらしいけど、今年、欧米では突如大ブレイクしたイギリスの覆面バンドの3rd。本国ではウェンブリー・アリーナを即完売するクラス。Spotifyでもガシガシ、リコメンドされたし、下に貼ったYouTubeの再生回数も、ここまでの9バンドとは文字通り「ケタが違う」。
ここまで差がついてしまうとステージ演出も大規模になってしまって、もはや永久に来日公演の機会はなさそう…。クリマンさんがトチ狂ってサマソニのトリ前とかトリ裏とかで呼んでくれる可能性が1ミリくらいあるか…。
アフィリエイト・リンク
※アルバムは2024年夏発売予定…。
※ほらほらコレですよ、Amazon、CD取り扱いなし。アナログとMP3のみ。
※これも輸入盤しかないどころか、AmazonでCD取り扱いなし…。
※こちらもAmazonはCD取り扱いなし
※Plot In Youはアルバム未発売。こちらは前作。前作も良い。
※こちらは一応、輸入盤国内流通仕様が出たはずですが在庫切れ…。
そのうち各種ベスト確認後、買い漏らしアルバムを追加するかも。