Beerhouse³ 営業日誌

ものづくりの街、新潟県三条市でビール屋やってます

ヒマなので映画を見ている(4)「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

 どうも。新潟県三条市の中心部、「本寺小路」でクラフトビールを中心とした飲食店「Beerhouse³」を、とりあえず何とか営業しております店主いけのです。

 

 9月3日(金)~16日(木)まで新潟県から時短要請が出され、当店も午後7時ラストオーダーで閉店するので、夜、仕事が終わった後、ヒマじゃん。

 てことで、今まで見ようと思って見てなかった映画をマトメ見する。

 

 第4回は、クエンティン・タランティーノの通算9作目、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」。

 いやー、この15年、本当に映画情報の収集を怠っているので、タランティーノの新作はレオナルド・ディカプリオブラッド・ピットが主演で、アカデミー賞とかの映画賞もそれなりに受賞した、くらいの認識しかない状況で見たので*1、まさか、チャールズ・マンソン・ファミリーによる、シャロン・テート殺害事件を背景に置いた映画だったとわー! と観ていて気付くなど。

 なお、シャロン役は「スーサイド・スクワッド」でハーレクイン役をやった、マーゴット・ロビー

 

 

 

 【あらすじ】

 1969年のハリウッド。第2次大戦後生まれの若者たちによるベトナム反戦やヒッピー・カルチャーが盛り上がる時代。

 かつて連続テレビ西部劇の主役で人気スターだった、リック・ダルトンは、台頭する若手俳優たちの敵役で食いつなぐ日々。そのリックのスタントマンだったクリフ・ブースも、スタントの仕事は減って、リックの雑用係をしている。ある日、リックの隣家に、「ローズマリーの赤ちゃん」が話題の、新進気鋭の映画監督、ロマン・ポランスキーが、新妻のシャロン・テートと共に引っ越してくる…。

 

 

 リック、クリフ、シャロンの3人の主人公を中心に、次々と視点(と時々、時間軸も)が切り替わりながら、それぞれの話が交差しないまま独立に進む群像劇、という点では、タランティーノのいつもの作風だと思うんですが、いつもどおり話があっちこっちに飛ぶので、やや分かりづらい部分もある。

 

 20年越しで映画化されたけどNetflixオリジナルになったMotley Crueの「ザ・ダート」を見た後だから、余計にそう感じたのかもしれませんが、テレビが台頭して映画の役割が縮小していく時代を舞台に、明らかにピークを過ぎた男主人公2人と若手女優、というストーリーが、「政治的正しさ」に配慮しすぎてアメコミ作品ばかりになってる今のハリウッドに対する風刺なのかなあ、と思いました。また、その辺が受賞とかの批評家からの評価につながっているのか、と。登場人物のほとんどが、劇中ずっとタバコ吸ってるし。

 

 とはいえ、わりと落ち着いた雰囲気でチャールズ・マンソン・ファミリーに迫るのかと思ったら、オチは、まあ、タランティーノの好きそうなB級映画テイストと言えば、それまでですが、ワリと強引に持っていって、本当にコレでいいのか、と思わないでもない。

 西部劇のスターと、そのスタントマンが主人公だろ、ってことなんでしょうが。

 

 タランティーノって元々映画監督になる前はレンタルビデオ屋でバイトしながらシナリオを書いてた、というエピソードもあるくらいで、基本的には「映画オタク」って感じの人らしいんですよね。特に、この60年代~70年代の娯楽の主役がテレビに移った後の、低予算で若手監督がアイディアで勝負していた時代の映画だったり、イタリアや日本、香港みたいなマイナーな映画。「パルプ・フィクション」とか「キル・ビル」とかもそれが前面に出てますが。

 そもそも、今回のタイトルも明らかにセルジオ・レオーネの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」を意識しているわけだし。あ、そういえば結局、見たことない。見ます。

 そういう意味では、あのロマン・ポランスキーの奥さんが、チャールズ・マンソン・ファミリーに殺されたエピソードとかは、まあ、思い入れはありそう。

 シャロン・テートが出演した「サイレンサー/破壊部隊 (The Wrecking Crew) 」って映画の武術指導にブルース・リーが参加してたって話は初めて知りましたが。

 

 なお、そういうあの作品に誰と誰が参加していた、みたいなマニアックな視点だと、「アイ・アム・サム」のダコタ・ファニングがマンソン・ファミリーのヤベー女にいました。役作りだと思いたい。本当に予備知識ナシで見て、オープニングで名前を見つけてどこで出てくるかと思えば…。

 この他、「ビバリーヒルズ青春白書」のディラン・マッケイこと、ルーク・ペリーが、ディカプリオが出演する西部劇のライバル役で。

 あと、タランティーノ映画でおなじみユマ・サーマンイーサン・ホークの娘、マヤ・ホークもマンソン・ファミリーの一人で出演。こちらは、まだマトモそうな役。

 この他、ちょいちょいヘンな登場人物が。

 

 

 

 

 

 

 今後見る映画候補:

 ・ピーター・ファレリー「グリーンブック」

 ・ベイトン・リード「イエスマン

 ・ジョン・ファヴロー「シェフ」

 ・クリストファー・ノーランダンケルク

 ・セルジオ・レオーネワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ

 ・ダニー・ボイルスラムドッグ・ミリオネア

 ・ザック・スナイダー「エンジェル・ウォーズ」

 ・ギジェルモ・デル・トロ「シェイプ・オブ・ウォーター

 ・フランチェスコ・ファラスキ「トスカーナの幸せレシピ」

 ・デヴィッド・ヴェンド「帰ってきたヒトラー

 

 ちなみにレオーネ以降、ネトフリにないので、アマプラに移行予定…なんですけどプライム会費にさらに別料金必要なのがほとんどなので見るかどうか…。あとダンケルクもテーマは興味があるけど基本的にクリストファー・ノーランの良さが分からない…。

 他にもコレ見とけという作品などありましたら、ご推薦ください。

 過去に見てた映画の傾向などは、こちらの記事で。

beerhousecubed.hatenablog.com

 

*1:「ジャンゴ」撮るくらいまでは知ってたけど、前作の脚本流通騒動どころか作ってたことも全然知らなかった